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企業目線での社会保険



前回は「働く人目線」での社会保険について説明しましたが、

今回は「企業目線」での、従業員を社会保険に加入させるメリットや

加入の仕方について解説していきたいと思います。

<社会保険に加入するメリット(企業目線)>

ここでは企業目線で「社会保険に加入するメリット」について考えてみます。

従業員を雇い入れ社会保険に入れると、保険料の半分は会社が負担しなければいけないため、会社の固定費は増加します。

固定費の増加を懸念して会社を作らない方や、

個人事業主の方や小さな規模の会社で「従業員を社会保険に入れた方がいいの?」と悩まれる方も少なくないようですが、

従業員の立場からすると、「会社が保険料を半分負担してくれる」というのがなによりのメリット。

というわけで、まず会社として社会保険へ加入することで、安定した人材の確保に繋がります。

また加入することで、給付金や減税制度のメリットを受けることもできます。

下記に、社会保険に加入するメリットをまとめます。

★安定した人材の確保、定着につながる

・求人広告を出したとして、「社会保険完備」と「社会保険無し」の打ち出しでは応募者数にかなりの違いがあるでしょう。

 なぜなら、求職者からすれば社会保険に加入できるところで働きたいから。

 応募者が多ければ、よりよい人材を選択できる可能性も高くなります。

★採用コストの削減

・せっかく採用をしても、すぐに退職されてしまえば再度求人をしなければいけません。

 また、一から採用を行い、新人を教育することで時間や労力も余分に必要になります。

 正社員なのに社会保険に未加入といった話も聞きますが、店舗や企業の社会的信用を考えると社会保険の加入は必須と言えるでしょう。

 社会保険に加入して従業員の福利厚生を充実させることで、人の定着にもつながるのです。

★減税制度・助成金制度がある

社会保険のうち、労働保険(雇用保険・労災保険)において、下記のような制度が設けられています。

 》減税制度

 <雇用促進税制>  従業員を新しく雇った場合に受けられる減税制度。前年と比較して従業員が2名(事業規模が大きい場合は5名)以上増えると、減税メリットを受けられる可能性があります。

 減税金額:「増えた従業員の人数」×40万円(上限あり)

 <所得拡大税制>  従業員に払った給料が前年よりも多い場合に受けられる減税制度です。

 減税金額: 「増えた給料の金額」×10%(上限あり)

 》助成金制度

 <一部例>

 ★雇用調整助成金:従業員の雇用維持を図るための助成金  ★特定求職者雇用開発助成金:高齢者や母子家庭の母等を雇った時  ★生涯現役企業支援助成金:40歳以上の方が起業して、中高年齢者を雇った時  ★キャリアアップ助成金:派遣労働者やパートを正社員にした場合等

 →前職では、アルバイトスタッフから始めて試用期間等を経て正社員に転換する例が多かったため、社労士さんのアドバイスでで最後に挙げている「キャリアアップ助成金」を活用しようということになり、助成金の対象となるように”転換までの期間”などに定めを設けるようにしました。

 これらの助成金については、また追って記事にしたいと思います◎

<社会保険の加入方法(事業主・労務担当の方向け)>

健康保険・厚生年金・介護保険(40歳以上から)は社長1人の会社でも加入が義務付けられています。

社会保険の加入手続きにはそれぞれ以下の書類を提出します。

会社勤めの方で、社内外に労務係の人がいる場合はその方が一連の手続きを行ってくれます。

「健康保険」・「厚生年金」

 ※健康保険は協会けんぽに入る前提

 →  <新規適用届> 会社設立時に用意するもの

  健康保険・厚生年金に加入する場合に最初に提出する書類。

  自分の会社が今後社会保険に加入する(社会保険加入の事業所になる。)ことを届け出るものになります。

  提出先…年金事務所(加入する日から5日以内)

 →  <資格取得届> 従業員加入時に用意するもの

  社会保険に加入する人別に提出する書類です。加入者の基礎年金番号や住所、給料の金額を書いて提出します。

  提出先…年金事務所(従業員入社から5日以内)

「労働保険」

 →  <保険関係成立届> 会社設立時に用意するもの

  労働保険に加入する事業所になったことを届け出る書類です。労働保険の手続きで一番最初に行います。

  提出先…労働基準監督署(労働保険に入る日から10日以内)

→  <雇用保険適用事業書設置書>

  保険関係成立届の手続きの後に、公共職業安定所(ハローワーク)にも届出が必要になります。

  提出先…公共職業安定所(ハローワーク)(事業所設置から10日以内)

→  <概算保険料申告書>

  労働保険に加入した時は保険料を前払いすることになります。この書類を提出して保険料を計算して納付します。 

  提出先…労働基準監督署、金融機関など(労働保険に入る日から50日以内)

→  <雇用保険被保険者資格取得届> 従業員加入時に用意するもの

  雇用保険に入る人別に提出する書類です。この書類も保険関係成立届(上記表3)の手続き後に提出します。

  提出先 →  公共職業安定所(ハローワーク) 従業員が入社した月の翌月10日まで

私も労務管理をしていた当時は社労士(社会保険労務士)さんが付いてくれていたからなんとか業務をこなせたものの、改めて各制度についておさらいしてみると結構抜け落ちていた知識もちらほら・・・笑

企業を大きくしていきたいと考えている事業主の方には抑えておきたいポイントとなりますので、ぜひこれらのことを念頭に置いていただけたらと思います。


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